2018-07-08

音楽からアダルトを語ってみる ”起“


 

「音楽が生活の主軸になっている人は、性欲が薄い気がする。」

これは常々私が感じていた疑問で、
たとえばライブによく行く方は、脳内エクスタシーをしょっちゅう分泌しているので、敢えて肉体的なSEXをしなくても満ち足りている気がしたんですね。
これは演者のほうにも言える気がして。
そんな疑問にお答えいただける適切な方をご紹介いただきました。

今回お招きしたのは、私も初対面の佐藤学さん。
前回のシブメグさんのご紹介なので、なんのデータも渡されず、事前調べもできず、いきなり本番という荒々しさで始めてしまいました。
文字起こしされたものを読み返したら、びっくりするくらい世間話です(笑)。
なので、読者の皆さんと一緒に佐藤さんを知っていこうと思います。
エロ界にいると、なかなかお話しできない方なので、もう根掘り葉掘り聞きたいものです。
だって、ある種の素人さんですよ…(笑)。

 


 

—— では一回目をはじめさせていただきます。

佐藤 佐藤学です。

—— 通称「boone(ブーン)」さんですね。

佐藤 そうですね、そう呼んでもらってます。

—— ご職業は?

佐藤 四谷アウトブレイクっていうライブハウスの店長やらせてもらってます。

—— 今年何年目ですか?

佐藤 13年ですね、今年で39歳になります。

—— ということは25歳から?

佐藤 そうですね、それぐらいからはじめました。

 

 

—— こういうお店のオーナーとしては、ちょっと早いですよね、

佐藤 そうですね、オーナーが別にいるんで、僕がお金を出してるわけじゃないんですけど(笑)、オープン当初は副店長だったんですよ、ちょっとしてから店長になったので、まぁ妥当な…(笑)。

—— ここに根を張ろうと決めたのはいくつぐらいですか?

佐藤 もう最初っからですよ。オープンしたとき家がなくてここに2年くらい住んでました。

—— この辺(店内)に?

佐藤 寝て…。お風呂は近所に銭湯があるのでそこに行って。

—— 暮らせるもんですねー。

佐藤 結構いけますよ。

—— で2年経ってやっと人間らしい生活を…。

佐藤 人間らしい生活にちょっとずつ戻っていくという…(笑)。

 

 

—— 佐藤さんもバンドやってらしてってことなんですけど、プロ志向っていうのはなかったんですか?

佐藤 あったんですけど、結構前の段階で裏方のほうが面白いなって思って、切り替えちゃいました。

—— 人のお世話してるほうが面白い?

佐藤 そうですね、売れていく流れというかリリースとかもそうですけど、段取りを組むのが楽しかったというか、あと純粋に才能もなかったんで(笑)。

—— でも担当楽器がギターですよね、ギターを選ぶ人って目立ちたいっていうのがあるじゃないですか。

佐藤 そうですね(笑)。

—— それが裏方に回るっていうのもちょっと…。

佐藤 なんなんですかね? でもギターやってたときもメインでギターボーカルがいて僕がいるみたいな、どっちかというとサブ的な感じだったんで、そういう押し出す感っていうんですか、副委員長的なところが良かったんじゃないですかね(笑)。

—— そこから音響とかを勉強されたんですか?

佐藤 そうですね、店に入ってからですね。

—— 音響って大変なお仕事のイメージがあります。

佐藤 大変は大変なんですけど、元々バンドやってたときからまさに副委員長的な感じでレコーディングも自分たちでやってたりしたんですよ、機材買って。それもあったんでわりとすんなり苦労せず入れたかなって。

—— ライブハウスだと音響もですけど、照明もあるじゃないですか。あと出演するバンドさんのお世話とお客さんのお世話とやることいっぱいじゃないですか。

佐藤 山ほどありますね。

—— はじまったらワーッて感じじゃないですか。

佐藤 どんがらがっしゃーんですよ(笑)。

—— そういうのが好き?

佐藤 そうそうそう、そういうのが好きなんですよね。ワー!!!みたいな。

 

 

—— 第一部は佐藤さんのことと四谷アウトブレイクとか色んな話をしたいんですけど、まずこのお店はどういうバンドが使われることが多いんですか?

佐藤 オープン当初はロックンロールバンドが多かったんですけど、だんだんとやっていくごとにバンドはバンドであるんですけど、例えばお笑いとか落語とか、それこそ映画とかお芝居もそうなんですけど、他のジャンルの人が使ってくれるようになってそっちの割合も増えていって、そういうのとバンドが合体したイベントも増えていって、今はもうわりと何でもありって感じになりましたね。

—— 「うちの店はこうですから」っていうものは作ってない?

佐藤 もう今は特に決めてないです。

—— となると、来るお客さんもバラバラですよね?

佐藤 もうバラバラですね、世代もバラバラだし。

—— 前回登場してくれたシブメグさんに聞いたら「ここは店についてるお客さんが多い」って。

佐藤 ありがたいですね。

—— 珍しいなと思って、私がライブハウスに出入りしてたのは何十年も前なんですけど、その頃はバンドについてるお客さんは多いけど店についてるってあんまりなかったんですよね。

佐藤 そうですね、今のライブハウスってどこもそうなんですけど、うちの場合だとちょっと特殊で、お店についてるというかアウトブレイクを気にかけてくれる人が多くて、このバンドがアウトブレイクに出るなら行くよっていう感じでお店に愛情持ってくれてるのが凄くありがたいですね。

—— あと佐藤さんが選んでいるバンドなら間違いないって来るお客さんが多いっていう。

佐藤 それ言ってもらえるのは凄く嬉しいですけどね、超プレッシャーですけど(笑)。

 

 

—— 店に客がつくって珍しくて、いわゆる私の世代よりも前の世代のライブハウスなんだろうなって思ったんですよ。今日はバンドの出演がなくても誰かが飲みに来て…とか。

佐藤 そうですね、フラッと寄ってくれる人は多いですね。

—— それでも営業はしてるんですか?

佐藤 ライブが無い日っていうのはほとんどないんですけど、ライブが無い日は掃除してたりするので。

—— 一応、お店にいることはいる?

佐藤 いますね。でも最近は店を休みにして皆で遊びに行ったりとか、僕もいろんなライブハウスに行ったりしてるんで…(笑)。たまにすっからかんになるときがありますけどね。

—— ほぼ空きがないんですね。

佐藤 あかないですね。

—— 凄いことですよね、それって。

 

 

佐藤 空きを作りたくなかったっていうのもあって、毎日埋まってるライブハウスがカッコいいと思ってたんですよ、オープンしてからずっと。でも今年に入ってその考え方を変えて、ライブハウスの空き日を作って外に出てまた新しいものを店に持って帰ってこようかなと思ってるんで、最近はあけてるんですよ。

—— 他のお店に行ってみて、どうですか?

佐藤 ライブハウスってそれぞれにカラーが強いので今、どこに行っても勉強になりますね。

—— 今は古いところがどんどん潰れていってしまってる状況で、もちろん新しいところも出来てて新陳代謝といったら悲しいですけど、時代とともに変わってるというか。

佐藤 でも移り変わるのはしょうがないと思うんですよね、やっぱり時代の流れもありますし。でもやってる人たちは基本的にあんまり変わってないというか、皆新しいお店に移ったりとかもしてるんで、そういう意味ではあまり業界全体が下がってるという感じはしないんですけど、逆に新しいニーズに応えられるお店が増えていくのは良いことだなって思ってるんですけど。結局やる人で変わっちゃうから、やる人が面白ければ新しい店舗が増えようが、古い店舗が潰れるのはちょっと悲しいですけど、俺はいいかなと思ってるんですけど。

—— 新宿もずいぶん変わったなって印象があって。

佐藤 めちゃくちゃ変わりましたね、新宿JAMもなくなって。綺麗なところも凄く増えましたし。

—— 「こんなところに!」っていうのも増えましたよね。

佐藤 新店舗がここ10何年で出来続けてるんですよ。しかも全部綺麗っていう。

—— なんかちょっと綺麗だと変な感じしますよね。

 

 

佐藤 僕らの頃って言ったらあれですけど(笑)。汚くて危ない場所っていうのがありましたけど、今はそういう店はもちろんあってそういうお店のファンももちろんいますけど、新しく作るってなるとどうしても綺麗になりますよね。

 

—— 13年もやってるとなると、その中でも様々な歴史を見てきたと思うんですけど、佐藤さんから見て今のバンドを見に来る人たちの客層って変わりましたか?

佐藤 変わるには変わったんですけど、バンドもそうなんですけど、お客さんも周期的に入れ替わってしまう部分が多くて、例えばバンドだと3〜4年で一通りやるじゃないですか、レコーディングやってツアーやって、で一回落ち着いたときに辞めちゃうバンドもあったり、お客さんも結婚や卒業なんかで生活のリズムで来られなくなる人も増えていくんで、常にそれで変わっていってる気がするんですよ。でも楽しみかたはそんなに変わってない気がします、出る人たちは。

—— お客さんのマナーは変わってないですか? 私がこの前お邪魔したとき、お客さんが皆いい人が多くて。

佐藤 いい人ばっかりですよ! ケンカとか起こらないですからね。店にもよるんですけど、うちの店は特にケンカなんてめったに起こらないですよ。

—— いい人ばかりですよね、誰かが押し倒されると皆で助け合って立て直したり。

佐藤 そうそう、全然助けますよ。

—— 昔はそんなことなくて「邪魔だ!」みたいな(笑)。

佐藤 あはははは(笑)。今は大丈夫ですね、財布の中身が散らばっても皆拾ってくれますから。

—— ここ10年くらいの話ですかね?

 

 

佐藤 14〜5年かな、でも僕らがやる前からちょっとずつその雰囲気はありましたね。

—— パンクのジャンルが好きで来てるお客さんって、ガラが悪いというか怖いっていう気がしたんですけど、それでもマナーが良くて。

佐藤 そうなんです、彼らは自治作用があるんですよね。今まったく同じなのがアイドルの現場でも多くて、うちもアイドル関係のイベントがあるんですけど、そこの人もルールを守るというか。

—— そこにモラルがあるような。

佐藤 そんな感じで、もちろんそうじゃない人たちもいるんですけど。

—— 目立たないですよね。

佐藤 各々楽しんでいくなかで、今はライブハウスもいっぱいあるので、めちゃくちゃやるとそこでできなくなったりするわけで、だから自分の遊び場は自分で守ろうみたいな、そういうありがたい感じでみなさん楽しんでもらってますね。

—— ここでも騒音問題とか出てます?

佐藤 騒音に関してはうちは防音をしっかりしてるので、あんまり騒音で揉めたことはないですね。上の階のコーヒー屋さんとも仲がよいので。

—— シブメグさん情報だと、休みの日は控室に使ってくれていいよ言ってくれる店もあるとか。

佐藤 そうですね、隣のスナックのおばちゃんのところは土日は営業してないんで開いてるから楽屋で使いなよとか(笑)。近所も仲が良いんです。

—— 普段から色々を気を使ってるからだと思うんですけど。

佐藤 そうですね、あと店の前に溜まらないとか。ライブハウスあるあるですけど、終わった人たちとか途中で出てく人たちが外で溜まって喋っちゃうみたいな、それが結構苦情としては多いと思うんですよね、ライブハウスって。うちもその辺はみんな気を使ってくれていて。

—— そこもお客さん同士で道徳的にやるとか?

佐藤 っていうのが多いですね。あとどのライブハウスに行っても「外に溜まらないでください」って口酸っぱくみんな言ってるんでそれが浸透してるんだと思います。昔のおっかない部分はほとんど残ってないと思います。

 

 

—— モッシュとか起きても綺麗なモッシュなんですよね。

佐藤 今は凄くしっかりしてますね。

—— 練習してるの? みたいな(笑)。

佐藤 運動会みたいになってますから、最終的に。

—— そうそう(笑)。

佐藤 あれは俺もビックリします、フェスとかに行ってもみんな同じ振り付けで踊るじゃないですか。あれはここ最近のトレンドというか流行りなんですけど、あれはちょっと俺でも「怖いな…」って思うときありますよ(笑)。

—— キレちゃってステージ上がってっちゃうお客さんもあまりいないですよね。

佐藤 全然いないですね、ごくごくまれに困ったちゃんはいますけど危ない人は減りましたね、完全に。

—— やる側が煽ったりはしない?

佐藤 やる側も煽るんですけど、結局やる側が煽るのって「みんなで楽しもう」っていう煽りかたなんですよね。そうするとそういう人たちは来づらくなってるかもしれない。逆にその反動でそういうシーンもあるんですよ、文化系みたいな人たちがモッシュしてダイブして…みたいな音楽も今はあって、そっちはそういうのに弾かれた人たちが集まって、それはそれで面白いっていうのができてる気はしてて。

—— 昔は火を吹いたりとか色々ありましたよね。

 

 

佐藤 あはは、蛍光灯を突っ込んでくるかたとかいましたね(笑)。

—— なんて今のライブハウスは、クリーンになったんだろうって思いました。

佐藤 今でも脈々と残ってるし、あるにはあるんですけど、目立たなくなったというか少数派ではありますよね。

—— 逆にこういうところに行き慣れてる人は、モラルがしっかり出来てるんだけど、サマソニとか大きなイベントだと普段そういう場所に行かない人が集まってくるから、けっこうめちゃくちゃになるなってイメージがあります。

佐藤 行き慣れてない人はちょっとおっかないですよね。

—— キマっちゃってる人とか。

佐藤 でも不思議なのが、ライブハウスだとそういう人たちすら愛おしくなってくるんですよ。ハメを外してしまった人を全否定できないというか、好きな音楽で爆発しちゃった人って困ったちゃんなんですけど、愛おしいなって思うときがあるんですね(笑)。「お前の気持ちは分かるぞ!」って、でもこれはちょっとヤバいじゃん…って人もいるんですけど。

—— 音楽に射抜かれた人?

佐藤 でもそこまで見せられると「これはマナー違反だ」って排除する気にはなれなくなっちゃうっていうか。

 

 

—— 音楽のジャンルはどうですか、その時代その時代の流行があったと思うんですけど。

佐藤 うちの場合はどちらかというと下北(下北沢の略称)とかそっちのほうじゃないので、流行の音楽がいっぱい来る場所ではなくて、だからある意味音楽的には変わらないですね、常に変な人がいっぱい来る…(笑)。

—— ライブなのに一曲もやらないで終わった人いましたね(笑)。

佐藤 いました(笑)。そういう人たちが集まっちゃうんですよ(笑)。でもありがたいですよね、そういう人たちが好きなんですよ。そういう人たちが来てくれるのは凄く光栄です。

—— ほとんどスケジュールが埋まっているっていうのが凄いと思います。

佐藤 出たいって言ってくださるかたも多いし、イベントでやりたいって人も多いし、もちろん僕らが呼んで作る日もあるんですけど、そういう意味ではバランスよくやれてる気がします。

—— スタッフさんでは佐藤さん以外に常時いるのは?

佐藤 基本的に常時いるのは僕と音響の現場チームと、一緒に制作をするブッキングのやつらがいるので日替わりで来たりとかですね。

—— 普段のライブハウスも?

佐藤 だいたいそんな感じです。基本的にそういう感じで皆バイトなんで、ダブルワークの子もいればこれ1本で頑張ってる子もいるし。

—— ダブルワーク多いですよね。

佐藤 純粋に好きなこと一つで食いきれないというか、それだけじゃ食えないからじゃないですか。

—— いや、多分食べれてもやらないって子も多いです。これだけだと視界が狭くなるからって。

佐藤 そうなんですね。うちも多いは多いんですけど。

—— 今の子ってお金に執着がないというか、生活できればいい、それよりも自分のやりたいことをやりたいっていうタイプが多い気がします。

佐藤 でもいいですよね、やれるうちにやるのって正解ですよね。僕の年だともう取っ替え効かないんで…(笑)。

—— でもそれも問題だなと思っていて、好きなこといっぱいやるのはいいんですけど、そうなるとスペシャリストが育たないっていうか、職人が育たないっていうのは問題って言われてますね。

 

 

佐藤 そこから見つけられればいいですよね「やっぱりこれが最強だ」っていう。

—— その結論をどこで出すかっていうことだと思うんですね。

佐藤 うちのスタッフにもいますよ、うちでやってて「やっぱりこれがやりたい」って思ったらしくて、もうちょっと大きいライブハウスに入ったり、違う会社に入ったり。

—— 今の時代のフリーターって、前は生活のためだったんだけど、今は自分のやりたいことのためにっていうのが多いなと思ってて、音楽も好きだけどアパレルも好き、みたいな。あれも好き、これも好きだから全部やるっていう人が多いなと感じています。

佐藤 いいですけどね。でも職人に憧れるじゃないですか。音響だったら音響一本、照明だったら照明一本っていう、そういう人が若い世代にも生まれてきてほしいですけどね。

 

 

—— そういうのが生まれにくい時代になったなって。

佐藤 僕も言っちゃえば何でも屋みたいなものなので(笑)。どれもスペシャル感はないというか、何でもできないとっていうのがあるから。

—— でもライブハウスの店長だと、全部に精通してないといけないですもんね。

佐藤 そうですね、空間に限っていえばそうですね。

 

—— 今回のテーマが「恋愛とセックス」を掲げてるのでそのお話を第二部で聞きたいと思います。

 


 

本当に世間話で終わった第一回ですが、佐藤さんが人見知りじゃなくて本当に助かりました(笑)。
そしてもう勘が鋭い方ならお気付きでしょうが、言葉の選び方が実に善人です。
このシリーズが終わる頃、音楽に関わったことがない方でも、佐藤さんと話してみたいと思う方がたくさんいる気がします。
そんな”人たらし“佐藤さんに、次回からエグい話を聞こうと思います(笑)。

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今回のゲスト:四谷アウトブレイク佐藤 ”boone ” 学さん

 

 

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遥美沙樹 #ootd
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