2018-06-27

カルチャーをアダルトに話してみよう ”結“


この対談の趣旨は「恋愛とSEX」ではありますが、その裏ドラとして、【次の世代へ残したいもの】という真意が隠されています。今回は、本当に大真面目な話。そして深刻な話で締めくくりとなりました。
でもとても大切な話です。
当事者も、部外者も、内野も外野も、ちょっとだけ考えてみませんか?
今回も《シブヤ節》が炸裂しております(笑)。
共感する方、シブメグに本当に会いたいと思っている方、可能性はありますよ。せひ探ってみてください。

 


 

—— 第4回です。さて、最終回はシブメグさんが、これからやろうとしてる仕事の話で締めたいなと思ってるんですけど、つまり「浮かぶ」をやる前に戻るということ?

シブヤ そうですね、今度は「浮かぶ」と二足のわらじを履く感じになりますね。

—— もっとディープになるんですか?

シブヤ ディープになりますね。
「子ども電話相談室」で子どもの話を聞いてるんですが、「もうイジメってよりは恐喝だろ」とか「もう暴行だろ」っていう電話がかかってくる本数が本当に多くて。10年近くやってたんですけど、だんだん子どもを取り巻く環境が変わりすぎてきていて、悪い道に入る誘惑が増えたとかそういうことではなくて、貧困問題だったり、貧困問題を解決するために子どもが援助交際という名の売春に手を染めることもそうだし、親御さんが実際本当に子どもに風俗に行くように促しちゃうこともあるし。男の子の話でいったらプッシャーになる子が増えるっていう話もあるし。

—— プッシャーとは?

シブヤ 麻薬の売買人ですね。

 

 

—— 対象年齢はいくつからいくつまで?

シブヤ 対象年齢は電話をかけられるようになった年齢から19歳まで。

—— 結構広いんですね。

シブヤ 私が働き始めたときは、全然そういう案件がなかったのに、働き始めて2〜3年後から16歳、17歳の女の子から「妊娠してしまったんだけどどうしたらいいだろうか」っていう電話が増えたんです。それまでは妊娠したって電話があったとしても相手は誰だか分かってるっていう電話なんですよ、同級生の彼氏とか。でも誰の子どもか分からない、援助交際で「生でヤラせてくれたら倍のお金を払ってあげる」って言われてお金が欲しかったらそうしたっていう子がもの凄く増えてて、どうしたらいいのか分からないっていうのが凄く増えました。

男の子からの電話で「彼女が妊娠したんだけど、こういうときどうしたらいいか分からない」っていう電話も多くて。あとリスカしちゃう自傷行為に走っちゃう子のほとんどは、自己評価の低さがハンパなくて、自分のことを求めてもらえる、ただそれだけの理由で安易にセックスをしてしまって、体がボロボロになって病気になっちゃってっていう子も多くなって。

で、新しいプロジェクトっていうのは、そういった子ども達のための性教育のプロジェクトを立ち上げようっていうのがメインなんですよね。そういう子達の悩みや言ってくる子たちの目に留まるところに講義っていう形じゃなくて少人数でお茶を飲みながら色んなことを話して色んなものを持って帰ってもらおうっていう。

そこで性教育っていうのは言ってみれば自分の体のことを知るのが第一歩だと思うんで、自分の体のことを知らないまま投げ出しちゃう子が凄く多いなと感じていて、一つひとつ知っていって貰えれば大事にしようってきっと思うはずだから、そこに今は力を注ごうってことになりました。

 

 

 

—— 実際ニュースを見たりしてると、若者の○○離れが問題になってて、今の若い子はセックスをしないとか宴会をしないとかお酒を飲まないとか実際そういう子は多いんでしょうけど、そういう相談に来る子って多少なりともいるわけで、それは少数派ではないじゃないですか。私たちに見えてない、聞こえてないだけでかなりいるってことでしょ?

シブヤ 私がこの仕事をはじめる前の研修で言われたことが「1本の電話の後ろに10人の子どもがいると思え。」って言われましたもんね。その子にかけた言葉が10人の子に伝わるって思いながら言葉を選べっていうのは言われました。

—— こんなに裕福な世の中で貧困問題って…。

シブヤ お金が無くて教科書を買えないから学校に行けないって子もいました、この時代に。あとランドセルが買えなくてそこから不登校が始まるっていう子もいます。教材が買えない、揃えられないっていう。

—— これだけ国が補助をしているにもかかわらず?

 

 

シブヤ 「これが届いて欲しい。」っていう人になぜ届かないかっていうと、その情報を得るための教育が届いてないんですよ。ビートたけしさんが、著作「菊次郎とさき」の中で、お母さんがお金がたくさんあることが貧乏から脱する手段ではない、この貧困から脱する手段は教育しかないって言って、北野三兄弟には街灯の下で本を読ませて、とにかく勉強させたっていう。

それは本当にそう思います。親御さんがずっと貧困の家庭で育つと、自分にはどんな権利があるのか、自分は一体どういう理由で税金を払ってるのかピンとこなくて、自分の子を義務教育までは行かせるんだけど、その先の教育がどうして必要なのか分からない。とにかく目先の金が必要で、その子供たちが役所で出来ることを知らないまま親になって、子どもが出来てっていう、そういう負の連鎖がループになってるんですよね。

その負のループの中にいたとしても、立ち止まるっていうのかな…止めることは出来ないかもしれないけど、立ち止まって考えることは出来るんじゃないかって、そのきっかけを作れたらいいなって思うんですよね。なのでそれをやりながら「浮かぶ」もやりながら二足のわらじを履いて。

 

 

—— 今のそういう人たちと関わってきて、10代の子たちのセックスっていうのものへの価値観はどのように捉えてますか?

シブヤ 私が話を聞いてる子たちはセックスっていうものがやっぱりひとつは本当に愛を試すものになってますね。

—— 試す?

シブヤ 男の子に言われるセリフだと思うんですけど「俺のこと好きなんだろ? じゃあヤラせろよ」っていう。それはまだいるし女の子もまだひれ伏しちゃいますね、従っちゃう。「えっ!?」って思いますけど。

—— 東京都の話?

シブヤ 「子ども電話相談室」は全国からかかってくるので、やっぱりまだまだいますよ。愛の証としてセックスっていうのが独り歩きしてて「愛してるならヤレるっしょ」ってつけ込んでくるのはいっぱいいる。

—— ほかに文化がない田舎だと思うんですけどね。

シブヤ 文化がないっていう、それはそうかもしれない。知識がもっと浸透してくれるといいなぁって思います。セックスってそういうものじゃないよっていう、愛してるからどうのってことではないし、愛してるからこそ大切にする、我慢するっていうのがあるんだっていう。

—— 学校教育がどこまでできるかっていう問題にもなってきちゃうんですけど、子どもを生んでから出生届を届けなきゃいけないってことを知らなかった親もいるって聞きました。

シブヤ そうです、本当そうです。

—— 子どもがどんどん大きくなっていって、幼稚園に入れようとしたときに初めて知ったっていう。

シブヤ 分かる、それすっごい分かる。本当にあるんですよね、それ。あと自分のお母さんが目の前で倒れて死んでどうしていいのか分からなくてそのままにして腐っちゃったっていう、で匂いで分かってもらえたっていう。人が生まれたとき、人が死んだときに残された生きてる人間が一体何をしたらいいのかっていうのが分からない。

—— 学校はそこから教えなきゃいけない。

シブヤ これってセックスの話にも繋がると思うんですけど、今いかに生き死にっていうのが遠いところにある話かっていう、そこなんですよね。だからどの国で戦争が起きても対岸の火事だし、戦争が日本で起きたら行くのよっていうリアリティが無くて、そこら辺の想像力の欠如はものすごく感じますよね。お葬式に行った子がいない子ってものすごく多いんですよ。

 

 

—— 今は密葬が多いから見たこともないんでしょうね…。

シブヤ そうなんですよね、本当に良いこともあれば悪いこともあるんだなっていうのは感じますよね。

—— 今は学校がそこから教えなきゃいけないんじゃないかと思ってて、冠婚葬祭から。

シブヤ そうそう。

—— 教える大人がいない。

シブヤ いないと思います。

—— 勝手に生んで勝手に育てているからそうなるわけじゃないですか。ズレてきてるのかな。

シブヤ 思いますね、それは。

—— 大人の役割ってそこにあるんじゃないかなと思ってて。「そんなことも分かんないの?」じゃなくて「それはね…」って教えてあげなきゃいけない。

シブヤ 常識がどんどん増えてきてるじゃないですか。30年前にはなかったようなスマホだったりインターネットだったり、そこの常識が今はメインになってきてて、新しい常識を知らなきゃいけないから古い常識がどんどん切り捨てられてるっていう、そこを大人が理解した上で新しい常識と同じように「この常識は知っておいたほうが良いと思うよ」っていうことをちゃんと示せるようにならないと。

—— 人が生まれたらとか人が死んだらって。

シブヤ そこからですよね、救急車はこういうときに使うんですよって。そういうところを含めて教えないといけないんだろうなっていうのは思います。

—— 今いろんなことを知らないまま育っていく子がいっぱいいて、童貞と処女が結婚して性交渉するんだけど5年経っても子どもが出来なくて不妊治療に来たんですって。そこでタイミング法とか医師が色々教えても出来ないから、おかしいと思って込み入って話を聞くと、ずっと尿道に挿れてたんだって。

シブヤ えーー! いたたたた…!

—— 肛門は分かったらしいんだけど。

シブヤ 尿道にチンコ挿れるってさぁ、痛ぁい。

—— 本当に尿道に挿れてたんだって。で、これは妻のほうで気がつくんじゃないかってツッコミが入ると思うんだけど、本当に女の人で尿道で感じる人っているんですよ。膣と近いから。だからちょっと分かりにくかもしれない。

シブヤ なるほどねぇ。

—— こんなものだと思っちゃうとそれを受け入れてしまう。だから教えなきゃいけないことなんですよ。

シブヤ 本当そうですね、いたたた…。5年間でしょ? 挿るもんなんだねって思うけど。

—— 私たちの常識を逸脱した子たちが育って30歳を過ぎてるんですよ。でも30歳も過ぎてるのにってそれを否定しちゃいけなくて、今からでもなんですよ。

シブヤ 本当、始まりはいつからでもいいので。

—— それを受け入れていくっていうのも大人の仕事なんだなって最近は実感していて。

シブヤ そうですね、共通言語が無いですよね。共通体験が無いから「え、そんなことも知らなかったの?」ってセリフは違うんだろうなと思いますね。

 

 

—— うちのキャストもなんですけど、みんな同じことTwitterで呟いてて「無礼な人は嫌いです。」とか「モラルの無い人はイヤです。」って呟いてるんだけど、多分そういう人たちって何が無礼で何がモラルがないのか分かんないんですよね。

シブヤ 分からないでしょう。

—— だから分からないから、頭ごなしに言うんじゃなくて教えたらちゃんとやるよっていう。

シブヤ そうなんですよね。

—— 実際にあった話なんだけど、うちのキャストが初めて会ったお客さんと最初に話をして、じゃあプレー始めますってなったんだけど、自分の着替えをトイレでしようと思って入ったらすごく臭くて、便座の蓋を開けたらうんちがそのまま流れてなかったの。「え?」って思ったんだって、でもなんで蓋はされてるんだろう? って。流し忘れたなら蓋は開いてるじゃない? どういうことなんだろうって思ったんだけど初回のお客さんだし聞けなかったんだけど、あれは何だったんだろう? トイレは使ったら流すんだよってことも今は教えないといけないんですかねって。

シブヤ 自動で流れるトイレが普及しちゃったからそのせいもありますよね。

—— あとお風呂から出ても身体を拭かないで出てくる人とか結構いるんだって。ボタボタしながら…。そのレベルなんですよ。

シブヤ 怖いなぁ。

—— 無礼とかモラルとかそういう話じゃないんですよ。

シブヤ もう”しつけ”の話になってしまう。でもそういうのを知らない自分が恥ずかしいっていうか、そういうのは無いのかな?

—— 今の子たちには羞恥心が無いんですよ。

シブヤ 私がさっき話した「サブカル先輩の話をふんふんと聞いてるだけじゃ凄いイヤ」って裏で猛勉強するっていうのは、あの気持ちって羞恥心だと思うんですよ、知ったかぶりはイヤだっていう気持ちって。それが無いってことなんでしょうね。

 

—— 今の10代の子たちにも羞恥心は無いんじゃないかなと思ってて。人前で裸になることに抵抗が無いって子が多いんですよ。

シブヤ 確かにそうかもしれないですね。

—— 私のときは修学旅行のときでも皆でお風呂に入るのに抵抗がある人がいっぱいいたんだけど、今はいないんだよね。

シブヤ でも変なところに「恥ずかしい」って思う気持ちはあるんですよ。例えば夏休み、クリスマス、バレンタインとか年末年始に彼氏や彼女がいないのが恥ずかしいっていう、皆が持ってるものを持ってない恥ずかしさっていうのは凄くある。そのために援交してブランド物を買うっていうのは恥ずかしくないんですよ。皆が持ってるものを持っていないことのほうが恥ずかしいから。恥ずかしさの中身が変わってきてるっていうのはありますね。

—— 多分今はそういうことは恥ずかしくないんだと思う、知らないことは知らないって言えることは恥ずかしいと思ってない。けど、肝心なことも知らない。

シブヤ 本当にそこですね。この本棚に『無知の涙』って本があるんです。いわゆる「永山基準」って呼ばれるきっかけになった、永山則夫の手記。私、この人に凄く惹かれてて。

永山は8人兄弟の7番目に生まれたんですけど、父親は貧乏なのに博打がやめられなくて、母親はそんな父親と貧困に耐えられなくなって、一度子供達の汽車代も用意できない状態で家出しちゃうんです。そんな状況の時は、兄弟で漁港の魚を拾って食べたり、ゴミ箱を漁って生き抜いて。その後、また母親と一緒に暮らして育ててもらうんですけど、やっぱり「教育」といえるものは受けられなかったんですよ。

そんな状況で育ってきたから、自己評価も低くて、集団就職して一生懸命働いて上司に可愛がってもらっても、ふとした瞬間に「この人は自分の悪い過去を知ってるに違いない」みたいな悲しい思い込みがひどくなって、それに自分で耐えられなくなってバックれたりしてて。

 

 

で、19歳の時に連続ピストル射殺事件を起こすんですが、獄中で読み書きを覚えて、支援団体と文通したりして、識字能力もそうですが、はじめて人間らしい気持ちが生まれたんだと思うんです。そこから独学で執筆を始めて、この『無知の涙』を発表するんです。
はじめて勉強をしてみたら、知らないことがたくさんあったけど知ることができた、そして知りたいことがもっと増えたっていう。そしてその知りたいことの中に、なぜ自分はこうなってしまったのかも入っているんですよ。いろいろ知った今だからこそ、『無知の涙』というタイトルをつけたんだなあって。このタイトル、本当に凄いと思います。永山は無知であることに開き直ったりしなかった証ですもんね。

ただ、無知である自分を開き直っちゃうというか居直っちゃう人が増えたよなっていうのは思います。「だって知らなかったんだもん、しょうがないじゃん。」「じゃあ今日から知っておこうね。」って。でも聞いたことあるなで終わる。興味があるから中身を掘り下げようって風にはならなくて、今まで知らなかったんだからこれからも知らなくていいよねってなっちゃうっていうのは凄く思いますね。

—— 凄いぬるま湯になりましたよね。

シブヤ 困る(笑)。よく言われるのはサブカルっていま凄く簡単に言われるけど、アングラ(※アンダーグラウンドの略称)が先なんですよ。当時はサブカルなんて言葉がなくて、アンダーグラウンドの代表は何かって言われたら浅川マキだったり、舞踏の大野一雄からまずアングラってものがあって、そこから寺山修司唐十郎が演劇で始まってってところからの、その文脈を辿りながら、今のサブカルやアングラを観たり聞いたりって人は少なくなってますよね。今はたくさんの情報があるからそれは淘汰されても仕方がないことかもしれないけど、私の好きな作家の花村萬月さんって人が「俺のロックステディ」っていう本の中で自分の音楽遍歴を語ってるんですけど、その中で「ビートルズが好きじゃなくても音楽が好きだって自認してるならあれは教養として聴かなきゃダメなんだ」と「だってあの人が全て始めたんだもん」って。あの人たちがはじめてくれたからこそ、インディーズレーベルが立ち上がり、自分たちでスタジオを作るってどういうことかとか、自分たちでプロデュースすることの素晴らしさも苦悩も体現してくれたり、音楽の世界の素晴らしさ。あの人たちがはじめたことがたくさんありすぎて、音楽が好きな人はあれは教養なんだって言ってて。それは寺山修司しろなんにしろ言えることなんですよね。サブカルが好きだって自認してるなら好きか嫌いかは別にしてなにか一つの作品は通してみなきゃダメだよねっていう。

—— 聖書みたいなものですね。

シブヤ そうですね。

 

 

残したいのは本屋

 

—— そろそろ締めに入ろうかと思うんですけど、やっぱり願い…じゃないけど今の若い子たちって自分が年老いたときの国を動かす人たちじゃないですか。多分私たちが老人になる頃には安楽死と姥捨て山は出来てると思うし、年金はなくなって安楽死を推奨するような世界になってると思うんですけど、色んなものが私たちと一緒に終わっていくような気がして、文化とか習慣とか。これは残したほうがいいでしょっていうものは?

シブヤ 私は本屋さんですね。

—— だいぶ無くなったよね。

シブヤ 残ってる本屋が本当にいわゆる薄っぺらいものしか残ってないというか、とっつきやすいものしか置いてないって状態になって。他にも文化はあるのになんで本屋をどうしても残したいのかっていったら、本屋さんって誰でも入れるじゃないですか。凄い雑な言い方をすれば買うつもりがなくても入れるじゃないですか。でも映画って観るつもりじゃないと映画館には入れないし、ライブもチケット代を払わないと行けないけど、本屋さんってちょっとしたすき間時間にフラッと行って、本の背表紙を見てるだけで得る情報とか得る教養っていっぱいあると思うんですよ。それがなくなるっていうのが一番怖いですね。まだインターネットで本を買うっていうことがなかったとき、「この本を買うんだ!」って本屋さんに行って見つけたときに、その隣にある本を見て「なんだこれ、こんな本もあるんだ。じゃあこっちの本も買ってみよう」って買ったらその2冊が凄く関連づいてて「何凄い! じゃあその隣は?」ってどんどん広がっていく。そうしたらその本の中に書いてあったこの言葉が知りたい、その言葉はあの本に書いてあるってどんどん繋がっていくんですよね。それができるのは本屋さんのあの並べ方ですよね。そこの本屋さんが関連付けて並べてくれてたからこそ、背表紙を見てるだけなのに色んな繋がりがあるんだなっていうことを頭の中にどんどん吸収していって。例えば映画でもゴダールの本の横にトリュフォーがあるのかっていったらあの二人の関係性があるからって分かるしっていう。

—— その並べ方は粋だね。

シブヤ 本当にそういうのがやれる本屋さんってあったわけで。なので昨日閉店が発表された六本木の青山ブックセンターなんてまさにそれでしたから、六本木で遊んで終電なくしたときなんかは始発が出るまで3時間立ちっぱなしで隅から隅まで見てってやってましたもんね。そういう意味では本屋さんは無くなってほしくないですね。

—— もちろんネットで買えるようになったのはねー。

シブヤ それは凄く便利なんですけどね。

—— でも本屋さんっていうのはやっぱり別なんですよね。

シブヤ 別ですね。電子書籍がラクだしAmazonがどれだけ便利かっていうのも分かるんですけど、本屋さんで関連付けた本を見てどんどん繋がっていって、知らないことを知ったら知りたいことが増えたっていう、これは本屋さんに通ってる人だったら分かる言葉だと思うんですよ。それがなくなるっていうのは怖いので、それに代わることをインターネットでできればいいのになっていつも思います。Amazonでもそうだけど、買うと関連付けて出てくるじゃないですか「これもどう?」って「これも好きでしょ?」って薦めてくるのってそこで買ったものをベースにしてるから「もう持ってるよ!」ってものを薦めてこられると腹立つっていう(笑)。「これを読んだからこれも好きになったんだよ、逆!」って言いたくなることがいかに多いかっていう、本屋さんにはそれが無いから。自分のペースで見れるし、まったく興味のない棚の前に立ったときに新しい興味が生まれることもあるし。

 

 

—— それは多い。

シブヤ 多いですよね、ネットだとやっぱり興味のない棚は見ないもん。

—— 人から聞いた話だけど、本屋が少なくなってきた理由の一つに、本屋にトイレが無くなったからだって言ってました。

シブヤ なるほど! ありましたね、トイレ。あと店員さんに言えば貸してくれたり。

—— あれだけの大量の紙量で、森の中と同じ現象が起きているからだから便意が起きやすいっていう説が。

シブヤ 本屋さんに長くいるとうんこしにトイレに行きたくなるっていう本屋あるあるが通じないんですよね。

—— そこまで長い時間いないから通じないんだよね。

シブヤ そうなんですよね。

—— それは良く分かるなーと思って。

シブヤ 分かりますね。

—— 神保町とか神田の古本屋さんの流れって計画的に出来てるらしくて、ああいう小さなお店ってトイレが無いじゃないですか。だからその間に喫茶店を入れたっていう。

シブヤ 凄く分かります! 古本屋→喫茶店→カレー屋っていう(笑)。

—— あれは町内で計画した流れという噂が。

シブヤ 神保町は街全体が一つの本棚って形になってますもんね。無くなってほしくないものは本屋さんですね。

—— 性教育に関しても?

シブヤ そこに関しても、さっき美沙樹先生がオナニーの為に本を買ってたって言ってたじゃないですか。そこで本当にフランス書院の本を読むことで読む筋肉が鍛えられたと思うし、普通の人が書けないような「鞭」とか「陵辱」っていう漢字が書けるようになったっていう(笑)。学校で習わないような漢字が書けるようになるっていう(笑)。それだって探究心が無いと覚えないからねっていう。

—— よく見る漢字なんですよね。

シブヤ そうそう(笑)。そこだと思うんですよね。本の凄いところってただ紙に文字が書いてあるだけなのに色っぽかったり怒りが湧いてきたり喜んだり泣いたりってことができるっていう。

 

 

—— 確かに、色気。

シブヤ 本当そこですよね。

—— 嘆かわしいけど。

シブヤ だから本当に本屋さんとか本だけは無くなってほしくないなって凄く思います。

—— なるほど、活字から知ることを止めてほしくないと。

シブヤ そうです。

—— ありがとうございました。

シブヤ ありがとうございます!

 


 

なげーよ!!(笑)。
でもそれだけ本気で真剣なんだってことは、ご理解いただけたでしょうか?
文化を継承する者は、表現者だけに留まりません。
あなたが大切にしている「好きなもの」も立派な文化です。
それを正しく、伝えて行きたい。そんな感じでまとめたいと思います。

 

さて、次回は!
「音楽に携わる者は、性欲が薄いのか?」という疑問が出たことを覚えていますか?
その疑問に答えていただきました!この方!!

ライブハウス「四谷アウトブレイク」店長
佐藤”boone “学さんに熱く、暑苦しく!語っていただきました。
いやぁ、面白かったです(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

次回は7月9日(月)の更新を予定しています。どうぞご期待ください!

 

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今回のゲスト:Bar 浮かぶ 2代目店主 シブヤメグミさん

 

 

年齢経歴一切NG。(たぶん30代か40代。笑。)
完全会員制《浮かぶ》の2代目ママとして8年目。
あらゆるカルチャーに精通していることは、浮かぶのTwitterを追うと一目瞭然です。

浮かぶTwitter

 


 

遥美沙樹 #ootd
・トップス:メルシーボーク 
・バングル:エルメス 

 

#artsy
#photooftheday
#swag
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