2018-03-26

日本の風俗と性癖を考える ”結”


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—— さて、ここで結論を出さなきゃいけないんですけど。

安田 結論が出るのかな!? もうあっちに行ったりこっちに行ったりしてるけど(笑)。

—— 最後に聞きたかったのが安田さんご自身の話で、多分そういう事聞かれたことがないとおっしゃってたんで。

安田 無いですね。

—— 痴女も巨乳も好きじゃないと言い切った安田さんの性癖、あと仕事と割り切れなかった話も聞きたいですね。

安田 性癖ね。自分でオナニーする時のネタって羞恥しか無いんですよ、羞恥モノが凄く好きで、とにかく女の子が恥ずかしがってるところに興奮するんです。一番AVで好きなのはデビューの子の初脱ぎなんで、そこ飛ばしてセックスさせたりすると腹立ちますよね、いきなりフェラとか。裸にしたら、じっくり眺めて恥ずかしがらせたい(笑)。

—— 羞恥心はどのへんの時代から消えてしまったんでしょう?

 

安田 羞恥心はAVの世界では、あくまでもファンタジーの部分なんですよね。そもそも男の考える羞恥心、「女の子が恥ずかしがるだろうな」っていうところって実際は違うじゃないですか。女の子は処理してない脇の下を見られる方が恥ずかしいみたいな。男としてはマンコを見られるのが恥ずかしいだろうと思ってるけど、実は脇の下の方が恥ずかしかったりするわけじゃないですか。

—— 意外と口の中とか。

安田 鼻の穴とかね。だからこっち側の幻想とまた違う。でもAVとして、ファンタジーとして見せるんだったら男の幻想に寄って作って欲しいなっていうのはありますね。そこをリアルにされてもしょうがないなっていう。

—— そこは演技力を求められちゃうって事ですかね、女優さんに。

安田 かもしれないですね。

—— 羞恥心を感じたことがある人なら出来るんでしょうけど。

安田 でもそもそも女性の羞恥心って違うわけだから、そこは男の人が演技指導してあげればいいんだと思う。「こういうのが男は喜びますよ」って。

 

—— そうなると女性の監督では撮りづらいかもしれないですね。

安田 そうですね。女性監督の演出だと、そのへんのズレが出るかもしれない。

—— SMクラブのM女さんに聞いてみた事があって、色んなものを晒してるから恥ずかしさなんて無いと思ってたんですけど「自分の中でここだけは見られたくないところはどこ?」って聞いたら「全部脱がされてるのに靴下だけ履かされてるのがイヤだ」って言ってました。

安田 みんなそれぞれ恥ずかしいところが、結構違うところが面白いんですよね。でもそこに男が興奮するかって言うとそうでもないから(笑)。

 

—— そんな安田さんの過去に割り切れなかった話とは? 痛い話。

安田 痛い話ってどういうのだろう?

—— では、唯一恋愛したであろう奥さんとの話を。

安田 22歳からかな、5年つき合って結婚したんですよね。

—— なぜ5年かかったんですか?

 

安田 単に、まだ早いかなみたいな感じですよね。27歳くらいで結婚したのかな。だからもう人生の半分以上一緒にいることになるんですけど。

—— それは恋愛対象としてつき合ったの? それとも人生のパートナー的な感じ?

安田 わりと最初から「あ、この人と結婚するかもなー」っていう感じに思いましたけどね。

—— みなさんその直感が働くんですよね。

安田 僕はそれまであんまり恋愛経験なかったからそう思ったのかもしれないけど(笑)、その時は本当にそう思いました。

—— でも恋愛はあったんですよね。

安田 カミさんとは…? そうですね、もちろんあったけど…、どうなんだろう、昔のこと過ぎて忘れました(笑)。

—— 恋愛好きじゃないって人の恋愛を知りたかったのに(笑)。

安田 まぁ、そりゃあ、したとは思いますけどね。

—— 駆け引きもあったでしょうし。

安田 それはそんなに無かった気がする。

—— って事は奥さんも直感的に「この人と結婚するのかな」って思ったんですかね。

安田 僕は、その時、バイトしてるバンドマンだったから向こうがどう思ってたかわからないですね(笑)。

—— 明日をも知れぬ…(笑)。

安田 「これはちょっとダメだろう」って思ってたかもしれない(笑)。まわりからは「やめときなよ」って言われたっていうし。途中で僕も就職しましたけど、すぐにフリーライターになっちゃって。なってすぐに結婚したっていう。不安定なのに、どうなんだそれもって思うんだけど(笑)。

—— でも確かに恋愛だったんじゃないですか?

安田 それはそうだったと思いますけど、本当にあんまり覚えてないんですよね、その感じを。

 

—— すったもんだは無いんですか?

安田 あんまり無いんですよ。

—— ご両親も結構簡単に認めてもらって?

安田 そうですね。何の問題もなく。ケンカもあまりしたことないんですよ。

—— よく結婚してる人が言うのは「結婚は社会だ」って言うんですけど同感ですか?

安田 どういう意味だろ?

—— 社会生活だって。

安田 あー、社会生活…、そうですね、うん。

—— 好きだとかなんとかっていう問題じゃなくて。

安田 うん、そうですね、それはそうだと思う。あんまり恋愛モードだと、続かない気がするんですよね。激しい恋愛ってだいたい続かないんじゃない?

—— でもそれだからいいんですけどね、面白いのに。

安田 だから僕、それがわからないんですよね、そこにエネルギーを使いたくないなぁ…。芸能人でもオシドリ夫婦をアピールしてると、だいたいすぐ離婚するし、夫婦エッセイみたいなの書くとだいたい離婚するみたいなのありますよね。

—— 夫婦になると感情的なものを差し引かないといけない?

安田 そうですね、ちょっと単純な恋愛とイコールでは無いですよね。

 

—— その後に凄く好きになった人に出会ったとしてもそれを犠牲にしてまでとは思わない?

安田 そうですね、だからやっぱりその辺が恋愛に興味が無いのかもしれないですね。

—— 性癖として羞恥心が好きって言ってましたけど、瞬間的にAVとかでドキドキしてるわけじゃないですか、そこである種の恋愛感情は入らないんですか?

安田 それはあんまり無いかな。

—— だからといって単なる排泄でも無いじゃないですか。

安田 オナニーとかで妄想する時だと自分がいなかったりしますね。

—— 自分がいない? 誰がいるんですか?

安田 漫画のシチュエーションみたいなのを想像したり、漫画のキャラとか。僕なんか未だに小学生の時に読んでた永井豪の漫画とか使ったりしますからね。

—— 「キューティーハニー」とか?

安田 「けっこう仮面」とか「イヤハヤ南友」とか。そのシチュエーションを妄想してる時に、その場に僕自身はいなかったりしますから。

—— 主観みたいな?

安田 客観ですよね。その場合だと全然恋愛とか関係無いじゃないですか。

—— 自分がその場面を見てる人?

安田 そうそう、単純に漫画読んで興奮してるのと同じですよね、当事者じゃない。BLが好きな人とかもそうらしいですけど、自分がそのキャラに感情移入するんじゃなくて、それを見てるだけ。

—— なんででしょうね。

安田 単純にそういう方が興奮したりするんですよ。

—— 例えばハメ撮りをした人があとで自分の動画を見て興奮するのは分からない?

安田 いや、それはそれでアリだと思いますけどね。自分は違うというだけど。

—— 面白いですよね。

 

安田 つくづく恋愛の感性が無いなぁって。そこが繋がらないんですよね、僕の場合。恋愛と性欲が繋がらない。だからこの話題は難しいんですよ。

—— そういう人は絶対いると思うんで、どうしても今までの対談が恋愛どっぷり感が強かったので、ここでバッサリ斬ってくれる方が欲しかったので、やっぱり安田さんは適任です(笑)。

安田 今まで、あんまり恋愛云々で話せっていわれたことが無いんですよ、そういう仕事はこないし、絶対に書けない(笑)。

—— 困らせたいですね(笑)。

安田 まぁ、もし仕事として来たら、他人の言ってることをそのままパクっていくつか適当にくっつけて納品しますけど(笑)。そもそも興味ないっていうのが一番正しくて、嫌いとかそういうんじゃないんですよ。

—— でもイチャイチャするのは好きなんですよね。

安田 うん、イチャイチャは好き。

—— イチャイチャのためのもの?

安田 うん、過程じゃなくてイチャイチャできる状態になったところから始めたい。

—— 過程でイチャイチャはイヤなんですか?

安田 嫌では無いんだけど、別にそこは早送りしてもいいみたいな感じなのかな。

—— 超越してしまった感じなんですかね?

安田 そこはあんまり重要に思ってないからなぁ。

—— そこもえぐりたい所なんですけど、夫婦はいつから男と女じゃなくなってしまうのかっていうのは思ってて。

 

安田 難しいですよね、僕が思ってるところと向こうが思ってるところは違うかもしれないからわかんないけど、カミさんとは一緒にいるのがすごい楽しいので、わりとよく話すしよく出かけます。それこそ子どもが大きくなってからは、二人で出掛ける事も多いですし。

—— それは夫婦という関係性として付き合っていくんですかね?

安田 そうですね、なんか安定してて欲しいんですよね。

—— 安定した場所?

安田 わりと安定が好きなんだな、そういう意味じゃ。引っ越しとか嫌いだし。僕、安定好きだわ、そういえば。落ち着いてるのが好きですね。

—— ガタガタ色んな事が起きてるのは嫌なんだ?

安田 あんまり好きじゃないかもしれない。だから恋愛も駆け引きとかそういうところに魅力を感じなくて。

—— ハラハラドキドキが嫌?

安田 いらない、もう映画とかでも中だるみのシーンがいいわ(笑)。

—— ちょうど真ん中ぐらいの(笑)。

安田 そうそうそう(笑)。「この後に大変な事があるよ」の大変はもういらないから(笑)。だから飲み屋さんもあんまり新規開拓しないんですよね、わりと同じ場所に行っちゃうんで。リラックスするのが好きなんですよ、だから男女関係もリラックスできるのがいいですね。

—— ドキドキが欲しくなりませんか?

安田 僕はあんまり無いですね、それはまた別のことでいいですね。

—— それが仕事なんですかね?

安田 そうかもしれない。フリーでずっとやってるから、ドキドキするのはそっちだけで十分です(笑)。男女関係はくつろげるのがいい。癒やしとは違うんですよ。別にそんな傷ついてないから癒やされなくても大丈夫(笑)。

 

—— 傷つかなきゃ癒やされないわけじゃないと思う(笑)。でもリラックスと癒やしは同じなんじゃないかなと思うんですけど。

安田 僕の中では違うかなぁ。

—— 例えば犬飼ってる人が、犬と遊んでると癒される〜っていうのは?

安田 でも男女関係の場合は癒される相手って、なんかちょっと意味がついてきたりしません?

—— それはちょっと思ったことがあって、よく眠れる相手。

安田 それは良いかもしれないですね。でも不安定なのとかは嫌だなぁ、面倒くさいな…。とにかく面倒くさいのが嫌なんですよ。

—— イチャイチャ対応の人がそういう面倒くさいことしたらもういいやって。

安田 アハハハ(笑)。

—— ちょっといい雰囲気になっていちゃいちゃモードに入ろうかなと思ったら「昨日実は死ぬこと考えてて…」って言い出したら「あーもういいわ」ってなっちゃう。

安田 んふふ(笑)。そうかもしれないですね、ヒドいヤツですね(笑)。うん、ヒドい(笑)。多分他人に興味がないってところなんですよね、そこはきっと。

 

—— それはお子さんも?

安田 うん、子どもに対してもそうかもしれない。

—— 興味ない?

安田 興味ないって言っちゃうと語弊があるけど(笑)。お前はお前で生きてけっていう感じがある。

—— あまり心配が無い?

安田 うん、そうかも。生きてればいいやって感じ。

—— 干渉しない?

安田 あんまりしない。

—— 心配にならないんですか?

安田 うんまぁ…、ちゃんと生きていってくれれば。

—— あんまり心配させるようなお子さんじゃないからじゃないですか?

安田 無いこともないけど。

—— 非行少女だったりとか。

安田 幸い、そういうのは無いけど。子供には子供の人生があるんだから、親は、あんまり過剰な思い入れをしちゃいけないと思ってるんです。子供も独立した人格だと思ってる。もちろん頼られたら、ちゃんと面倒はみますけどね、親だから(笑)。まぁ、やっぱり他人にあんまり干渉したくないというのがありますね。

 

—— 波風を立てるような人を周りに配置しなかったんじゃないですか?

安田 周りには多いですよ、波風だらけの人ばっかりですけど、あんまり干渉しない(笑)。

—— それこそ客観(笑)。

安田 そう、客観。おれ、ヒドい人だね(笑)。冷たいね。

—— でもそれってある種の処世術ではあるなって思うんです。

安田 それはそうですよね。

—— 巻き込まれないっていう。

安田 そう、巻き込まれたくない。

—— 巻き込まれちゃってドロドロにハマってちゃってる人いるじゃないですか。

安田 そうですよね。そうはなりたくない。いやぁ、おれ、凄いヒドい人だね(笑)。

 

—— 形はどうあれ、イチャイチャみたいな刺激は必要じゃないですか。

安田 それは快楽ですよね。

—— 最終的な快楽に繋がるために、それまでも無くなってしまったら人として楽しさが無くなってしまうというか。

安田 モテたいとかはありますよ。こんなこと言ってるとモテないと思うんですけど(笑)。

—— モテ対象っていうか相手がメンヘラばっかりだったら嫌じゃないですか。

安田 それは嫌ですね。メンヘラは苦手ですよ。

—— でもメンヘラの方がエロいんですけどね。

安田 それは分かりますけど、疲れそうだからいいや(笑)。メンヘラ好きな人っているじゃないですか、あれが分かんないんだよね。

—— そういうの差別しない友人に聞いたら「女の子ってそういうもんじゃないの?」って言ってました。

安田 一括りしちゃうんだ。でも大なり小なりそうだって言い方はあるかもしれないですね。僕はそういう感じなんで、他の人が恋愛とか面倒くさい事が好きなのが分かんないんですよ。

—— より気持ち良くなりたいからじゃないですか?

安田 うん、そうなんでしょうね。たぶんそこに面白さがあるんだろうなと思います。

—— 損なうっていうのが快楽だって説いた心理学者もいるじゃないですか。

安田 断捨離? でも確かにゴミを捨てるのは快楽ですよね。

—— 重たい恋愛も抱えて、それを全部壊した時が気持ちいい。

安田 悲しむのも快楽じゃないですか。泣ける映画とかああいうのが好きっていう人って多分そういうところがあるんでしょうね。僕そういうの好きじゃないし、泣きたくない。

—— 全ては気持ちよくなりたいからだと思うんです。

安田 僕の場合はリラックスするのが気持ちいいみたいな方向に行くんですよね。だから飲み屋も名店だと緊張するから好きじゃないんですよ、安くて美味しい有名な居酒屋とかあるんだけど、そういうところは緊張するから好きじゃなくて、気楽に飲める店の方がいい。

—— 本当にリラックスが好きなんですね。

安田 リラックスして生きていきたい(笑)。

 

—— 若い時から変わらず?

 

安田 今考えるとそうなのかなって気がしますね、旅行とか好きじゃないっていうのもそういう所があるから。面倒くさい。行けば楽しいんだけど、計画を考えるのが面倒くさいなーとか、仕事で旅行することはあるんだけど、それは仕事だからしょうがないから行くじゃないですか。でも行くとわりと楽しいなって思っちゃう(笑)。行ってみたら面白かったけど、自分からはもう行かない、面倒くさいから(笑)。うち帰りたいんですよね。

—— よっぽどいい環境なんですね。

安田 家好きなんですよね、帰りたい。外だとあんまりよく寝れないというのもありますね。だからそういうことがあっても、外泊はできないですね(笑)。

 

—— 結論づけたいのは「人ななぜ恋愛するのか」って言ったら気持ちよくなりたいからっていう。

安田 そうですね、気持ちよくなりたいからするんだろうけど、気持ちよさは人それぞれだなっていう。僕はそっちじゃないんですよね、僕の中ではそこに快楽は無いっていう。

—— 安田さんにとってはセックスもリラックスという感じ?

安田 そうかもしれないですね、どうだろう…。あんまり緊張したくないんですよね、だから青姦とかも好きじゃないし。

—— なんだったら挿入前に寝ちゃってもいい?

安田 それぐらいがいいですよね。

—— それもまた一つの形ですよね。

安田 だからあんまり刺激的じゃなくていいわ、みたいな感じはあるかなぁ。

—— 逆に今、若い子達がセックスに重きを持ってないっていう事に関してはどうですか?

安田 少子化は困るなと思ってるんですけど(笑)、まぁそれはそれでいいんじゃないかな。他に色々楽しい事あるからねぇっていう。人それぞれでいいんじゃないっていう考え方なので。

—— でもそうなると私達ご飯食べられなくなっちゃう(笑)。

安田 でも好きな人が一定数いればいいじゃないですか。別にみんながこっちを好きじゃなくていいし。エロが好きな人も絶対いるでしょ。その人たちを相手にすればいいんじゃない?

—— その人たちがどんどん減っていく傾向にあるんですよね。

 

安田 まぁねぇ…、ただでさえ人口は減ってるからね。でも、僕はみんなが同じ方向を向いて何かするっていうのが嫌いなんですよ。今、日本中が全部オリンピックの話題やってるのとか本当に腹立つんですよ、違うのやれよ! って。でも今朝のNHKの『あさイチ』では、他の局ではみんな「羽生くん凄い」とかやってるのに、女性ホルモンの特集してて感動したけどね(笑)。

—— あはは(笑)。

安田 まぁ、別に若い人がセックスに興味がなくてもそれはそれでいいかなと。

—— 意識的に20代に限らず自分の中の女性性を認めだした男性も凄く多くて。

安田 それも同じで人それぞれでいいんじゃないですか。男らしいとか女らしいって、それぞれが好きなことすればいいと思う。逆に男らしいのが好きって女もいるし、女の子らしい子が好きな男がいるのもいいと思うんですよ、僕はわりと女らしい女の子が好きなので、それを非難しないでほしいんですよね。「そんな古い考えはダメだ!」とかね。それ言われると「いや、趣味なんで…」って。オッパイ大きい子が好きとか、そういうのと同じで、単に趣味の問題なので。

—— つまり性別ももっと細分化してもいい?

安田 別に全然いいんじゃないですか、それぞれで良いんじゃないかっていう。だから恋愛に興味ないっていうのも認めてくれよみたいな。ヒドいとか言わないでよ(笑)。

—— 言われるんですか(笑)。

安田 言われるんじゃないですか? だって他人に興味ないとか言ってるし。

—— でも他人に興味ない人って結構多いと思いますよ?

安田 みんな言わないだけですよね。

—— それをコミュ障って言ってしまってるのかもしれない。

安田 コミュ障って、コミュニケーションとりたいのにとれない人のことを言ってるんじゃないですかね? だってそうじゃなかったらコミュ障なんて言わないですよ。

—— 私、人と関わるのが好きじゃないから人見知りって言ってるんですよ。

安田 それはガードじゃないですか。

—— 意外とそういう人は多いんじゃないかなと思いますけどね。

 

安田 多いと思います。僕も人見知りな方で、話しかけられないんですよね。仲良くなりたいなと思ってても自分から話しかけられない。気が弱いから(笑)。

—— 多分そういう風に安田さんを思ってる人って少なくて、どっちかっていうと好き嫌いが激しいっていうイメージ。

安田 好き嫌いは激しいですけどね、実はね(笑)。好き嫌いっていうよりも苦手な人がいる感じ。

—— どんな人が苦手ですか?

安田 「俺が!」っていう人は苦手ですね。自己愛が強い人は苦手。「俺、凄い」とか自慢する感じの人は相手をするのが疲れる。そういう人って「あー、凄いですね」って言わなきゃいけないじゃないですか。相手を持ち上げるっていうのが得意じゃないんですよ。だから実はあんまりインタビューも得意じゃないんですよね、相手を持ち上げなきゃいけないじゃないですか。僕はあんまり持ち上げてないんですよ、ここ持ち上げなきゃいけないんだけど、スルーしちゃおうみたいな。女優さんにも、自分がそう思ってなかったら「可愛いですね」とか言わない。

—— 特にエスワンの子とか持ち上げないといけないですか?

安田 いけないんですけど、あんまり持ち上げないんですね。出来ないんですよ、やっぱり思ってもない事って言えないじゃないですか。自分が可愛いと思ってないのに、言いたくない。「モテるんじゃないですか」とかそういう言い方にする。

 

 

—— あとAV女優が整形しだしたのっていつ頃からなんですか?

安田 そんなの初期からですよ、結構多いですよ。

—— 豊胸も?

安田 豊胸は、意外と今のほうが少ないかもしれない。

—— 前のほうがナチュラルっぽかった感じがするんですけど。

安田 以前は事務所がさせたりとかも多かったんだけど、今は無理にさせなくなってきてる気がする。そんなに金かけたくないみたいな感じ。

—— 顔ぐらい?

安田 顔をちょっといじるぐらいだけど、むしろ女の子のほうがやりたがる場合が多いみたいですよ。自分がしたいからっていう感じでやる子が多い。昔は事務所がやらせて借金で縛るとかあったみたいだけど。

—— 今って自然じゃないですか、整形しても。

安田 見た目に分かりにくいっていうのはあるけどね。昔のほうが多かった。

—— 昔はあからさまでしたよね。

安田 オッパイが大きいって今、手術でどうにもならないぐらい大きいサイズの話になってきてるじゃないですか、でも形を整えるのは結構あるみたいですね。

—— 1カップアップ分だけ入れるっていうのは今のアイドルでも多いらしくて。ワンサイズだけ上げるってなるとほぼ分からないですね。

安田 僕らが思ってる以上に整形って分からないんですよね、メイクで相当変わってる場合もあるじゃないですか。整形したって言われるけど実際はしてないっていう例も結構あるんですよね。オッパイも普通にしてても体調でサイズが変わるから難しいし、プロの整形外科医でも分からないらしいんで、『巨乳の誕生』を書く時、整形問題をどうしようかなと悩んで、結局書かなかったんです。とりあえずアメリカの整形の歴史だけ入れて。

—— 向こうは最初からですもんね。

安田 向こうはあからさまにやるのが好きなんで。ちょっとそういうのもあるよっていうのを匂わせる程度にしたんですけど。

—— そうなるとナチュラル志向ですね。

安田 そう、日本はナチュラル志向が凄い強いんですよね。今はちょっと大きいぐらいじゃ巨乳に入れてもらえないから、手術したからって貧乳を巨乳にはできない(笑)。

—— Eカップぐらいじゃ巨乳にならないですもんね。

 

安田 ただ、EだったらGまで上げちゃおうかっていうのがあるかもしれない(笑)。Gカップが基準なので、巨乳の仲間入り出来るから。ただ、今はあまりいじると逆効果になることの方が多いんじゃないですかね。

—— そこも時代のニーズなんじゃないかなって思うんです。

安田 日本人はそういうの好きにならないですね。

—— あとタトゥー入ってる子とか。

安田 タトゥーもダメだしね、好かれないですね。実は僕も好きじゃないんですけど。

—— 昔は入れ墨入ってるってだけでNGでしたよね。

安田 そうですね。いたけど、入れ墨が映らないようにアングルで頑張るみたいな。タトゥーはなかなか受け入れられないですね。わりと普通に入れてる子が増えてきてるのに、業界では今でもダメっていうのは苦手な人がよほど多いんでしょうね。

—— 本人も嫌がるのかも、個人を特定できちゃうから。それこそ、引退してから「無かったこと」みたいな生活が出来なくなるじゃないですか。

安田 逆にアメリカのポルノ女優は勝手に写真を使われないように入れるって事らしいですけど。

—— 意識の違いですね。

安田 向こうはタトゥーも好きだしね。

—— 日本のAVも風俗も。

安田 風俗は結構いますけどね。

—— 逆に入れ墨が好きなお客さんもいるらしいですね。

安田 いるんだよね、だからAVでなんでそういうニーズが無いんだろうっていうのはある。

—— 未だに入れ墨イコール怖い人達の関係ってイメージがあるんですかね。

安田 僕は「自意識強いなー」って感じですよ(笑)。

—— またそこにひねりが(笑)。

安田 この人、自意識強い人だなーって、あとピアスの数が多いとメンヘラっぽいなーとか(笑)。そこに自己主張を感じちゃうんですよね。

—— でもある程度自己主張が無いと女優さん出来ないんじゃないですか?

安田 それはわかりますけどね。でも、そういう意味じゃ、あんまり女優さんって好きじゃないんですよね。

—— やっぱりそこは本にも書いてましたけど最終的には男性は清純派を求めるんですね。

安田 僕はそうですね。そこは童貞のまんまですよ。清純であってほしいと願う。清純で実はエロっていうのがいいですね。

—— でもこれから女はどんどん強くなっていきますよ。

 

安田 まぁそうですよね。でも僕のそういう趣味は性の対象としての妄想の中の話なので、実際はそうじゃなくても全然かまわないんですけどね。別に友達としてなら、自意識強い女性も面白いので。

—— 女が強くなったから男が繊細だって言い始めたのか男が繊細だって言い始めたから女が強くなり始めたのか。

安田 どっちもそういう呪縛が解けたって事なんじゃないですかね。

—— 明治以降ぐらいの話になりそうですね。

安田 今のそういう意識って明治時代に作られたものだから。

—— 江戸時代は自由奔放な国だったので。

安田 歴史は全然浅いですよね。僕が清純派がいいっていうのも妄想の中の話だから。実際に清純派なんて大変で付き合えないだろうなって思いますよ(笑)。

—— それはAVだけじゃなく多方面で求められてるんだろうなって思いますね。

安田 でもガチの清純派って、実はそんなに求められてないんじゃないかって気がしますけどね。今はアイドルも金髪OKになってきてるし。

—— アイドルじゃない人をアイドル化させていく時代じゃないですか。

安田 そうですね。

—— 職業アイドルじゃないのにアイドルだから清純派でいてくださいみたいな。

安田 でも気持ちは分かるんですよね、清純であってほしいっていう。

—— 最後の男の妄想なんでしょうね。願望?

 

安田 処女厨とかね、あれは分かりやすくて自分が、前の男と比較されたくないっていうだけですよね。僕は清純派は好きだけど処女はイヤだなぁ…、苦手だな。

—— 面倒くさいのがイヤなんじゃないですか(笑)。

安田 面倒くさいから、アハハ(笑)。責任取りたくない。ヒドいなぁ、おれ(笑)。これ読まれたら、安田さんヒドい人って思われるよね。

—— でも凄い共感する人いると思う。

安田 女性の敵になっている気がする(笑)。

—— 大変面白い話でした。

安田 ここに出てくる他の人と全然路線が違うような事を言ってる(笑)。


 

かなり、しつこく追いかけた結果、安田理央という男性は「ひどい人」でした。
という結果に終わらなくてよかったです(笑)。
今回の結論として、人ぞれぞれでいいんじゃないかというものでしたが、
「…すべき」とか、「…しておくべき」という単語があらゆる雑誌の見出しを飾る中、
私はとても楽な気持ちで今回の対談を終えました。
人の数だけ思考があっていいし、嗜好があっていい。
それを認める努力なんかしなくてもいい。
ただ、そういう人も居るんだと受け容れる…それだけでずいぶん平和な世の中になりそうな気がします。

正直に、素直に生きることが困難な今の時代だからこそ、
ブレずに好き、嫌いと発言することに責任が伴いますが、そこが大人と子供の境界線なのかもしれません。私もそういう大人で居たいと思いました。

さて、次回4月の対談は安田理央さんからのご紹介でこの方になりました!

 

ライターのアケミンさんです!
裏方にするにはもったいないくらいの容姿端麗、そして頭脳明晰。
そしてAV業界の「売る側」からの視点、アケミンさん自身の主観などお聞きしました。
どうぞお楽しみに!!

 

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今回のゲスト:フリーライター、アダルトメディア研究家 安田理央さん

 

 

1967年埼玉県生まれ。実はネガティブマネージメントが得意な獅子座。
フリーライター、アダルトメディア研究家、漫画原作者、ニューウェーブ歌手など、複数の職業で多忙面で活躍している。
本人は趣味と言い切っているが、京王百貨店の駅弁大会では駅弁の達人として、そのマニアっぷりでメディアでも活躍している。(本人は京王の駅弁大会が好きなのであって、駅弁が好きなのではないと言っている。)
最近の著書は巨乳の誕生、痴女の誕生など(本人は巨乳も痴女も好きではないと言っている。)。
日本の風俗資料として永久保存されそうな膨大な資料をまとめあげた。

安田理央Twitter

安田理央ブログ

安田理央著作一覧

 

 

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