2017-12-17

私たちの恋愛とSEXーkoolongの場合-“転“


2017.12.17更新

START ≫≫> koolongの場合 ”起”を読む

BACK ≪≪≪ koolongの場合”承” を読む

 


 

—— 第三部は『転』でして、ここでやっと作品の話をお伺いしたいんですけど、今回のテーマは『本当は恋愛作品じゃないのか?女体拷問研究所 (※リンク先R18)』です。

 

koolong 恋愛作品?でも『女体拷問研究所』ですよ(笑)?

 

—— 『女体拷問研究所』シリーズはいくつまででしたっけ?

 

koolong 今はサードシーズンですね。ファーストシーズンが13タイトル、セカンドが18タイトルで、今はサードが14タイトル目なので…。

 

—— タラタラと長いですね。

 

 

koolong 考えてる時間が無くて、まとめられないんでとりあえず引っ張るみたいな(笑)。

 

—— 一時期、神田つばきさんが脚本を手がけてましたけど。

 

koolong その時は物語がぐっと締まりましたね。私だけの妄想ではなく、外側から観ていただいた方が私の世界観に入ってくださるというのは凄く嬉しくて、ぜひまたお願いしたいと思っています。あとは、ファーストシーズンの最後の方で協力いただいた作家の藤隆生氏からは今でもたまにアイデアをいただいています。それで第四シーズンのアイデアも出てきてるところなんですけど、そもそも5年ぐらい前から女体拷問研究所はAVじゃなくて映画やVシネでいきたいと思っていて。もっと多くの人に観てもらいたいんですよね。

 

—— 面白いですもんね。

 

koolong 「恋愛モノ」ですし(笑)。

 

—— うん、そう思います。

 

 

koolong まあ恋愛モノっていうのはジョークですけど、ああ…、でもある意味で恋愛モノって言われれば確かに歪んだ男から女性への愛の物語でもありますね。振られるんですけどね(笑)。本来のテーマは口に出して言っちゃうと陳腐になるから簡潔にしか言いたくないんですけど、あのシリーズで伝えたい事は女性の凄さ。それが私の中にある大きな感情なんです。

 

—— 女性ってこんなに凄いんだよって事を言いたかったんですか?

 

koolong 先ずは私の感情ありきでして。どっちが上だとか偉いとか、そう言う理屈じゃなくてね。

 

—— 女性上位って意味ではないんですよね。

 

koolong 感情を抜きにして言うと、相対的に女性の凄さを証明することは人間の凄さを謳うための一つのアプローチだと思うんです。逆に男は凄いなんて威張っても何も意味はない。男なんてその瞬間瞬間にどういう行動をとったかっていう事が価値になると思う。

 

—— 面白いですね、その話。

 

koolong 『女体拷問研究所』では、映画や音楽や詩なんかと同じように伝えたいことを映像に乗せたいんです。観た人の心のどこかに少しだけ残ってくれるような。まだまだ未熟なんですけどね。伝えたいことをどうやってあんなに無茶苦茶で男目線バリバリに見える陵辱劇に詰め込むのか。だから、やるなら映画なのかな?って思ったこともある。

 

—— でも内容が映画じゃ收まらないじゃないですか、2時間ぐらいじゃ。

 

koolong いや、可能ですよ。でも問題になってくるのは『女体拷問研究所』って言う名前ですかね…。

 

—— 問題ですね(笑)。

 

 

koolong 前に「子宮に捧げる愛の詩 -女体拷問研究所の真実-」と言う映画を作って劇場公開した時は映倫通りましたけどね(笑)。まあアレは青春映画っぽく作ったので、モロな「女体拷問研究所」の映画版というわけではなかったんですが。

 

—— ところで「女体拷問研究所」は主人公の辻丸耕平という屈折した男性キャラクターが出て来るんですけど、彼は自分の中でイメージ通りなんですか?

 

koolong 初期の頃はね(笑)。それはそれはど迫力の演技で屈折した悪の皇帝の雰囲気を醸し出してくれました。でも最近は当の辻丸さんが何だか凄く良い人になっちゃって(笑)。辻丸耕平(役柄としての)は、女を自分の前でイカせまくって屈服させたいと言う歪んだ男としての迫力が無いとダメなんですけどね。本当に我々が女性に圧倒されたら終わっちゃうし(笑)。

 

—— そうですね。

 

koolong 男側に凶悪なエネルギー、迫力が無いとダメ。

 

—— それは屈折した恋愛感情を持ったキャラクターが必要って事ですか?

 

koolong そうそう(笑)。本当は女が好きで好きでたまらないんだけど女に相手にされなかった男の歪んだ恋愛物語(笑)。

 

—— シナリオでは辻丸耕平も最初は女に酷い目に遭ったんじゃなかったでしたっけ。

 

koolong そうですよ。『女体拷問研究所 ZERO(※リンク先R18)と言うスピンオフ作品で描かれるんだけど、文学青年だった若き日の辻丸耕平が魔女に犯されて男の性を吸い取られてしまって、その復讐で女たちを拷問してるって話。そこまで広げて描こうとすると、まとまらない!みたいな(笑)。

 

—— アハハ(笑)。ところで拷問される女性たちはなんで捜査官なのかっていうのもいつも思います。

 

koolong 私が好きなんです! あとは他にキャラクターを見つけるとしたら…、捜査局から特命を帯びて悪の組織に近づく女詐欺師とか。

 

—— 同じ匂いしかしないし…(笑)。一般的な女医さんとかにはまったく興味がないって事ですよね。

 

koolong いいじゃないですか、女医さん。

 

 

—— この間、某学会に参加してきたんですけど、医療従事者の方々が一生懸命今後の日本のセクシャリティっていうのを真剣に考えようっていう会なんですよ。皆さん専門職ですから色々考えてるんですけど、じゃあ自分はどうなんですか?ってその人達に聞きたかったんです。とてもそういう事に満たされてるようには見えなかったので、日本人ってそういう所があると思うんですよ。自分を棚に上げて「これは大問題だ!」って言い出す人たちって結構多いじゃないですか。さっき女医さんがいいんじゃないですかって言ったのは、女医さんって私生活において自分のセックスライフが充実していないんじゃないかなと思うんです。

 

koolong そうなんですか?

 

—— 学会の中で一番最初に論文を発表したのは泌尿器科の女医さんだったんです。いわゆる勃起のメカニズムって未だにちゃんと解明されてなくて、あくまで泌尿器科の先生はそのメカニズムを仮説で話してるんです。そこで発表が終わった後に質問するんですけど、とある先生が「ご自身の主観として男性が勃起をするメカニズム、動機ってどんな事だと思われますか」って聞いたんですよ。そうしたらその女医さんが返答に困っている場面がありました。意味がわからないと思いません?

 

koolong なるほど。まあ、繊細でプライベートな話に切り込まれたと感じてお困りになられたんでしょうね。それは女医さんだけの問題じゃないかもしれませんね。

 

 

—— そうですね。だから綺麗事でしか話せないって事ですよ、でもそれが今の日本の女性達なんだなって思ったんです。

 

 

koolong 日本だけではないとは思いますけど…。まあセックスに対しての、延いては男女間における歪んだ概念が放置されすぎたんでしょう。

 

—— 放置?

 

koolong 一つは最近、男女平等って盛んに言いますよね?ワリカンとか、共働きとか、まあそれは別の事情もあるので仕方ないんですけど。でもそう言う割には、ファミレスとかにきているカップルでテーブルにソファと籐椅子があった場合、絶対に奥のソファーの方が上座なのに男のほうがそっちにドカッと座ってる人があまりにも多い。

 

—— それは私もよく見ます。

 

 

koolong この構図は逆に不平等ですよね?身体の作りって、二百年先は変化するかもしれませんが今の所は明らかに女性の方が華奢に出来ています。これ、子供を生むとか育てるとか意味があってそう言う違いが生じているはずでして、男性側も意味があって強い骨格で構成されているんだから、席に座る時なんかは女性を楽な方にエスコートするのが平等っていうもんじゃないかと。

 

—— 確かに、私も明らかにカップルや友達同士に見える男女がそういう状況っていうのは解せません。

 

koolong で、そういう不平等の最たるものがセックスですよ。なぜ、射精で終わらなきゃいけないのか?子作りセックスが目的のセックスじゃないのに。つまりセックスの目的自体が男側の射精になっている。で、知らずのうちに女性側が反乱を起こしているんですが気付かない。こう言う事が、男女間のこじれを引きづりながら長い間放置されてきた。

 

—— さっきの女医の過剰反応もその反動だと。

 

koolong 女体拷問研究所を作っている私がいうと更にこじれるかもですが(笑)、これらの事例よりもっと男女間の中では非道であり不平等の行為が繰り広げられている可能性が高いと思います。男女、お互い知らずのうちにね。知らずのうちにって言うことは、きっと私もやっている。

 

—— どうすれば良いんですかね。

 

koolong シンプルに、人間が良い方向に成長していくしかないでしょう。あと、教育とか、哲学とか、法律とか、今日はそういう観点からの話は無しだとして、一つは表現者の責任は重大だと思っています。

 

—— AVの責任も重いと。

 

 

koolong ただAVが悪いと言うよりも人間の問題なんですが、人間って本当はより良く生きようとする能力を持っているはずなんだけど、そう言った善の部分が何かのきっかけで出て来るわけであって。例えばきっかけがあればみんな優しさが出る。電車の中でも席に座れず立っているお年寄りに対して誰かが声をかけたら、それに呼応して近くにいる他の人も「どうぞ!」ってなると思うんです。そのきっかけが無いからシーンとしてるんですよね。そういった善の部分を引き出すものの一つが芸術で、音楽だったり映画だったり本だったりであって、そういう意味でAVもまた然るべきと思うんです。当然、射精したくてAVを観る場合が多いのですが、そんな中にも善と悪があって…、なんだそりゃ(笑)。要するにAVだけが社会のあらゆる産業と違うなんて事はあり得ないです、人間がやってる以上。

 

—— そう思います。

 

koolong ですので、まずはAVの中にもあるこじれた現象についても考え直さなくてはなりません。

 


 

賢明な読者の方ならお気づきでしょうが、koolong監督の場合に限り、遥美沙樹が毒舌です(笑)。言い訳がましいかもしれませんが、koolong監督自身がそうさせると言いますか、故意に隙を見せると言いますか(笑)。大変魅力的な男性であります…。しかし話の展開は思わぬ方向へ進んでまいりました。セクシャリティに携わる者として、大変真面目な話になって参ります。
次回、最終回ぜひご期待ください!

 

START ≫≫> koolongの場合 ”起”を読む

BACK ≪≪≪ koolongの場合”承” を読む

 


今回のゲスト:AV監督 koolong(くーろん)さん

1966年X月X日 東京都生まれ 断崖にひとり置き去りにしてこそ本当の底力が発揮し始める獅子座。

 

ベイビーエンターテイメント創設者。AV監督であり、脚本家であり、演出家でもある。
AVで電気マッサージ器や電動ドリルを女性の淫部へ使うという分野を確立させた張本人。
ただSEXだけの作品ではなく、ドラマ性の強い、かつ観る者を惹き込まずにいられない脚本力が幅広いユーザー層に支持されている。
2012年映画監督として「子宮に捧げる愛の詩 女体拷問研究所の真実」を公開。
現在も【女体拷問研究所】(※リンク先18禁)シリーズは続いており、最近では「俺が行きたいM性感店」をテーマにした【ウルトラM性感研究所クラブ・ザ・サッキュバス】(※リンク先18禁)もロングランシリーズの兆しを見せている。

ベイビーエンターテイメントTwitter

ベイビーエンターテイメントブログ (リンク先はR18)

koolong関連作品一覧(リンク先はR18)

 

 

 

 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です